自称阪神タイガース評論家（跡地）

　あ、ジャイアンツはアジアシリーズでもＮＰＢ代表として恥ずかしくない戦いを。死球あり、誤審ありで、イマイチすっきりしない部分はあったけど、熱のこもったシリーズではあったと思う。

　これが終わるとＦＡ狂想曲が始まるね。タイガースも渦中に巻き込まれるだろう。有資格者は、国内新規取得が平野と浅井、保持していた安藤。海外新規取得が藤川、鳥谷。保持しているのが福原、桧山。（ＮＰＢ公式）

　安藤と桧山は宣言せず残留だろう。浅井は望んでくれる球団があれば場所を変えるのもいいかも知れないと思う。ただタテマエ通り「やってみなきゃわからない」の状態で手を上げるのは、桧山の時みたいになりそうで怖いだろうな。そこそこ守れて緊急時の捕手になるというメリットはあるけれど、需要と金額のバランスが難しいから。

　鳥谷は今年の成績でＭＬＢにチャレンジするのは難しいと思う。国内には欲しい球団があるだろうが、条件的に阪神に競り勝とうというところまではないと思う。藤川はもうかねてよりの希望だから「行ってらっしゃい！行くからには絶対に喝采を浴びろ！」の一言。福原ももしＭＬＢ挑戦するというのなら、台所事情は大変だけれども背中を押して「ガンバレ」と言ってあげたい。あの状況からの大復活、そんなストーリー、かっこ良すぎる。

　平野。さて本人、球団どうしたいのか。どうするつもりなのか。去年などトリヒラの守りだけが楽しみだった。もう忘れかけているが今年の序盤だって、平野が打って守って盛り上げていたのだ。なぜ途中からぱたっと不振になってしまったのか。
　疲れがたまっているように見えた時があった。それもあるけれど、小さい体をフル回転させている源だった「気力」に変化があるように見えた。何かもやもやとしたものを抱えながら、いやもっと明確に不満を抱えながらプレーしているように見えた。平野の場合は、体に問題はなくても、そんな状態ではベストプレーができない。

　もっとも平野の側にも集中力の欠けたプレーや、スタンドプレーとも言うべき判断ミスもあって、相互不信の悪循環に入っていくようなところもあった。

　二塁手としての守備範囲の広さ、アウトにする能力はチーム一。外野もできる便利さは別格。攻撃の潜在的能力も依然として高いはず。トレードでやってきた08年からの存在感はピカイチで、当然球団としては引き留めを計るだろう。

　しかしすべてを決める権利は平野の側にある。本当に何かに不満をもっているのか、そうだとしてそれが何なのかは知る由もない。でもそれが来季も引き続き存在すると思うのなら、チームを出るのだろうなと。そしてそれはその方が平野のためでもあるだろうなと。
　タイガースは今後さらに若手へのシフトを加速させていかなきゃ事情もあるし、残りそう長くない現役生活、つまらない思いをしながらプレーすることはない。スッキリしない顔でプレーする平野を見るのは忍びない。もしそうなったとしても、５年間素晴らしいプレーで楽しませてくれたことへの感謝の気持ちになんの変わりもないということを伝えたい。